災害時のオーラルケア　口腔ケアグッズは？液体歯磨き・歯磨きシート・キシリトールガム

災害が起こったときライフラインが止まることが考えられます。

一番大事なことは命を守ることですね。そのための備えとして防災リックを準備しています。

意外に見落としがちなのがオーラルケアです。食べることと同じくらい命を守るために重要なのが、お口のケアであることが被災地の経験からわかってきました。

防災リュックに入れるのにお勧めの口腔ケアグッズは何か？

液体歯磨きや歯磨きシート、キシリトールガムなどを調べてみました。

災害時に口腔ケアが必要なわけ

実際、2011年の東北大震災の際、震災から1～2週間後の死亡原因としては、肺炎が一番多かったそうです。

避難所での生活はストレスが高く、食事も栄養満点とはいかないので免疫力が低下しやすく、特に高齢者は誤嚥性肺炎の危険性が高まります。もしも誤嚥性肺炎になったとしても、災害時は医療体制が混乱しているので初期治療が遅れることがあり死亡する危険性がより高くなります。

非常時の口腔ケアの方法

1. 歯みがきとうがい:
   • 歯ブラシや舌ブラシがあれば、歯や舌を丁寧に清掃します。
   • 歯がない方は、専用ブラシやスポンジブラシ（ない場合は歯ブラシ）で歯ぐきと粘膜部分をやさしく清掃します。
2. 水が不足しているとき:
   • 食後、お茶で「くちゅくちゅ」うがいをしましょう。一度にたくさんの水でうがいするよりも、少量ずつ数回に分けてうがいをする方が効果的です。
3. 歯ブラシがないとき:
   • ハンカチなどを指に巻きつけ、歯や歯ぐき、入れ歯についた汚れを取ります。
4. 口腔用保湿ジェルやリップクリーム:
   • 口の中が乾燥しないように、ケアの後に塗って保湿します。

唾液には、口の中の細菌を洗い流す効果や抗菌効果があり、虫歯になりにくくします。唾液を出すために食事はよく噛んで食べましょう。また、唾液が出にくい場合はシュガーレスガムを噛んだり口の体操やマッサージもおすすめです。

厚生労働省が災害時の口腔健康管理の方法の参考資料を出しています。（日本歯科医師会作成）

被災時だけでなく、アウトドアや長時間のフライトなど歯磨きができにくい場合がありますね。

そんなとき、手軽に口腔ケアができるグッズをご紹介します。防災リックにも是非備えておきたいですね。

非常時のために備えるべき口腔ケアグッズ

●歯ブラシ・・・基本的な口腔ケアグッズですね。普段使っている歯ブラシでもいいですが、避難所など大勢の中で使用するとき飛沫などが気になる場合は、口を閉じて歯磨きをする方法もあります。その場合はヘッドが薄いものが良いですね。

●液体歯磨き・・・水が確保できる場合は普段使っている歯磨き粉でもいいのですが、歯磨き粉は吸水性があるため水が不足している場合は向いていません。水か少ない状況でも使用できる液体歯磨きが防災用には適しています。

●歯間ブラシ・・・水が不足していて歯ブラシが使えない場合、ウェットティッシュや歯磨きシートなどを利用して歯の汚れを取りますが、歯の間はケアできません。歯間ブラシやフロスなどがあると便利です。

●口腔ケア用ウェットティッシュ・・・指に巻いたり、指にはめたりして歯の汚れを取ります。水が不足している状況でも口腔ケアができます。

●キリシトールガム・・・食後にキシリトールガムを噛むことによって虫歯の予防になります。またガムを噛むことで唾液の分泌を促進させて口腔ケアに役立ちます。ガムは長期保存が可能なので防災に適しています。

液体歯磨き・デンタルリンスとマウスウォッシュ

ドラッグストアに行くと、いろいろな製品が並んでいますが、デンタルリンスとマウスウォッシュは見た目も同じなので違いが分かりにくいですね。

実は、デンタルリンスは液体歯磨き、マウスウォッシュは洗口液で全く別のものになります。

デンタルリンスは液体歯磨きなので、すすいだ後ブラッシングが必要です。

マウスウォッシュは洗口液なので、ブラッシングの必要もすすぐ必要もありません。口臭を予防したり出血を予防したりするのがおもな役割です。口に含んでくちゅくちゅして吐き出すと汚れが目に見えます。

非常時に水が確保できるならデンタルリンス。水が不足しているならマウスウォッシュで口の中の洗浄と使い分けるといいと思います。防災リックに入れて携帯するなら小袋になったものが便利です。

口腔ケア用ウェットティッシュ　歯磨きシート

歯磨きシートには、指に巻き付けて使うシートタイプと指の形になっている指サックタイプがあります。

シートタイプは巻き付けるのが面倒だったり、口が小さい赤ちゃんなどには大きくなりすぎることがありますが、シート全体が使えるのでお得感があります。

指サックタイプは、指にはめるだけなので簡単ですが、面積が小さいのでコストパフォーマンスが悪い面もあります。

また、数日分が入った10枚～20枚いりのものや個別包装されたものもあるので、家族構成を考えて選びましょう。

指で歯を直接ふき取るのでスッキリしますが、その形状から歯の間などのケアはできません。歯間ブラシやフロスも一緒に使うといいですね。

水のいらない歯磨きシート（シートタイプ）

水のいらない歯磨きシート（指サックタイプ）

キリシトールガム　食後にはキシリトール100％ガムを噛もう

「フィンランドでは食後にキシリトールを摂る習慣があり、子供の虫歯がないのだ！！」ってCMで日本でも有名になったキシリトールです。

キシリトールは糖アルコールの一種でキシロールから合成される天然甘味料です。

糖アルコールのなかでもキシリトールは、虫歯を作るミュータンス菌に分解されず酸を生産しないので、虫歯を予防する天然甘味料としてフィンランドなどの北欧諸国で多用されてきました。

キシリトールはミュータンス菌の増殖やプラーク（歯垢）の形成を部分的に抑えるだけでなく、カルシウムと結合して歯の修復（再石灰化）も促します。また口に入れると味覚を刺激し、唾液の分泌を促す効果もあります。

まとめ

防災リックに備えておきたい口腔ケアグッズを集めてみました。

これらの口腔ケアグッズは、災害時でなくても、お口のケアや虫歯予防として普段から使用されている方も多いようですね。

しかし、いざという時に持ち出せないと結構困りそうです。ぜひ、防災リックに入れておきたいですね。

高齢者や赤ちゃんがいる家庭では特に重要です。

介護用品として口腔ケアグッズもいろいろあるようですので、家族構成に合わせて備えておきましょう。