コロナ禍の中、キャンプがブームになって多くの方がキャンプを楽しむようになりました。そんな中、ポータブル電源を導入して、より快適なキャンプライフが求められるようになりました。また、地震や豪雨災害など被災した場合に備えるニーズも高まっています。
人気のJackery、EcooFlow、Anker、BLUTTIEと日本ブランドのLACITAのポータブル電源について比較してみました。
ポータブル電源といったら、
「重い」「高い」というイメージがありましたが、
技術の進歩とニーズの高まりの中、どんどん進化しているようですね。
ポータブル電力のメリット
ポータブル電力のメリットは、電源のないところで電化製品が使えることですね。
非常時や停電、アウトドアやキャンプなど電化製品を利用することで安全や快適さを得ることができます。
スマホの充電くらいならば、車のシガーソケットやモバイルバッテリーでもできますが、ポータブル電源はAC電源がついているのでコンセントからの給電ができます。
災害時はもちろんのこと、車中泊の場合でもエンジンを切ってラジオを聞いたりお湯を沸かしてコーヒーを飲んだりできます。スマホの充電のためだけにガソリンの消費を気にしなくても済みます。
天候に左右はされますが、ソーラーパネルを併用すれば、ポータブル電源本体に充電できるし日常生活においても電気代の節約になります。
最近では簡易UPS機能(無停電電源装置)のついたポータブル電源も多くなってきました。
ただし、容量の大きなポータブル電源ほど、価格が高く、重量も重くなり持ち運びは難しくなります。ご自分のニーズに合わせてポータブル電源を選ぶことが重要ですね。
ポータブル電源のデメリット
コンセントのないところでも電気製品が使えて便利なポータブル電源ですが、通常通りに家電を利用したい場合、大容量のポータブル電源が必要です。容量に比例してポータブル電源の大きさも重さも、価格も高くなります。
また、非常用としてポータブル電源を長期保管する場合、保管場所に注意が必要です。風通しがよく直射日光の当たらない場所で保管する必要があります。
定期的な充電とバッテリー残量の管理が必要です。せっかく高額のポータブル電源を購入しても、非常時にバッテリー残量がなくて使えなくては元も子もありません。
バッテリーの長期保存には、一般的に60%~80%の充電状態で保管することが推奨されています。そのために3か月に1回はポータブル電源の状態を確認し充電する必要があります。バッテリー残量0の状態で放置すると故障の原因になります。
定期的な管理と適切な保管場所でポータブル電源の寿命は大きく変わってきます。
ポータブル電源の選び方
ポータブル電源は色々なメーカーから発売されていますが、ポータブル電源を選ぶ基準としては、まずはどのような使い方、どんな電化製品を使用したいかです。
定格出力と消費電力
ポータブル電力の「定格出力」とは、その機器が連続して供給できる電力のことです。例えば、定格出力1000Wのポータブル電源は、バッテリーの残量がある限りずっと1000Wの電力を出力することができます。
実際にポータブル電源を使用する場合、使用する電化製品の消費電力がポータブル電源の定格出力を上回らない必要があります。例えば消費電力1300Wの電気ポットは、定格出力1000Wのポータブル電源では使えません。
- 100W以下で使える家電:
- スマートフォンやタブレットの充電
- デジタルカメラの充電
- LEDライト
- ファン
- ラジオ
- 500W以下で使える家電:
- ノートパソコン
- テレビ
- デスクトップファン
- 小型冷蔵庫
- 1000W以下で使える家電:
- ヘアドライヤー
- 電子レンジ
- コーヒーメーカー
- 1500W以下で使える家電:
- 電気ポット
- 電気ヒーター
- エアコン
上の表のように、定格出力500Wのポータブル電源では、消費電力500W以下のスマホの充電やテレビ、小型冷蔵庫は使えるけれど、日常生活で使っている電子レンジやヘアドライヤーは使えない、冷暖房の電気ヒーターやエアコンはもっと容量の多いポータブル電源が必要ということです。
ただし、これらの家電が使用できるかどうかは、ポータブル電源の定格出力や瞬間最大出力によっても違います。また家電の消費電力は製品の大きさや容量により異なるので、詳しくは使用する家電のラベルなどに記載されている消費電力を確認する必要があります。
家電の非常用電力として備えるのか、ひとまず持ち運びが容易でスマホなど最低限必要なものの充電ができればいいのかを考慮して選ぶということですね。
起動電力と瞬間最大出力
起動電力とは電化製品には起動するための電力のことです。主にモーターを使用する機器では通常より数倍の電力を必要とする場合があります。
ポータブル電源には「最大出力」(「瞬間最大出力」)という項目もあります。これはポータブル電源が瞬間的に出力できる最大電力を示しています。(別名 サージ出力)これは電化製品の起動電力に対応したものです。例えば、定格出力600Wで瞬間最大出力1200Wのポータブル電力の場合、1200W以下の電化製品を使用することが可能です。
しかし、一般的には定格電力600Wで、最大出力1200Wのポータブル電源で、1200Wの電化製品を利用することは推奨されていません。なぜなら、瞬間最大出力は一時的に1200Wの電力を供給できますが、長時間の使用には適していないからです。電化製品やポータブル電源にダメージを与える可能性があります。
ポータブル電源を選ぶ際は、使用したい電化製品の定格電力だけでなく、起動電力も考慮に入れる必要があります。
電源リフト機能・定電圧機能とは?
とはいえ、もうちょっと出力があったらこの電気ポットが使えるのに・・・という場面がありますね。
それに対応して、ポータブル電源には「電源リフト機能」、「定電圧機能」と呼ばれる機能が搭載されているものがあります。これは電化製品の出力を抑制して、定格電圧を下げて幅広く電化製品を使用できるようにする機能です。
この機能が搭載されていると、定格出力600W、最大出力1200Wのポータブル電源でも、電化製品の電圧を下げて消費電力1200Wの電化製品を使用することができます。しかし、無理やり電圧を下げて起動させますが、動作時の実際の出力は定格出力以内になります。そのため、ドライヤーの風力が弱くなったり、お湯を沸かす時間が長くなることがあります。
電化製品の力が下がったとしても、もうちょっとポータブル電源の出力が欲しい場合には便利な機能ですね。これに関してはポータブル電源の比較で機能も挙げていますので参考にしてください。
ポータブル電源の比較
ポータブル電源を選ぶ基準となるのは、基本的には安全性と充電池容量になります。
安全性には、バッテリーの種類、出力波形の種類、AC出力ポートの出力周波数、PSEマークの有無の確認が必要です。そして充電池の容量を確認します。使用したい電化製品を動かせる出力があるか、使用効率が80%以上あるか。
これらが基本的なポータブル電源の選定基準です。そのうえで、どのような機能があるか、価格が予算に見合うかを検討します。
ここでは、ポータブル電源の主要4社、Jackery (ジャクリ)、EcoFlow(エコフロー)、Anker(アンカー)、BLUETTI(ブルーティ)と、日本製ポータブル電源のLACITA(ラシタ)を取り上げています。
比較モデルは、エントリーモデルとして使い易く軽量で低価格のモデルを対象としています。
下記に基本機能と拡張機能の比較をしていますが、モデルによって機能が異なることもあります。またポータブル電源は日々進化しており、最新モデルも続々と登場しています。選択の際には、ご希望のモデルや最新の情報をご確認ください。
基本機能の比較
基本機能 | Jackery 300 Plus | EcoFlow RIVER 2 | Anker521 | BLUETTI EB3A | LACITAエナーボックス01 |
---|---|---|---|---|---|
バッテリー容量(Wh) | 288Wh/22500mAh | 256Wh/20000mAh | 256Wh/80,000mAh | 268.8Wh | 444Wh/120,000mAh |
定格出力(W) | 300W | 300W | 200W | 600W | 400W |
最大出力(W) | 600W | 450W(X-Boost) | 600W | 1200W (電力リフトモード) | 600W(2~3秒) |
重量 | 3.75kg | 3.5kg | 約3.7kg | 4.6kg | 5㎏ |
サイズ | 230×155×167mm | 24.5×21.4×14.2㎝ | 約216×211×144 mm | 約255 x 180x 183mm | 303×134×184mm/5kg |
AC出力波形の種類 | 純正弦波 | 純正弦波 | 純正弦波 | 純正弦波 | 純正弦波 |
出力ポート | AC×1、USBタイプA×2、シガーソケット×1 | AC×2, USBタイプ×2, USBタイプC×1, シガーソケット×1 | AC×2/USBタイプA×2/USBタイプC×1/シガーソケット×1 | AC出力ポート×2/USB-C出力ポート×1/ワイヤレス充電パッド×1/USB-A出力ポート×2/5521 DC出力ポート×2/ シガーソケット×1 (9個全ての出力ポートから同時給電可能) | AC出力ポート×3 USB出力ポート×3 シガーソケット出力×1 |
AC出力ポートの出力周波数 | 50Hz/60Hz(切り替え可能) | 50Hz/60Hz(切り替え可能) | 50Hz/60Hz(切り替え可能) | 50Hz/60Hz切り替え可能 | 60Hz |
電池の種類 | リン酸鉄リチウムイオン電池 | リン酸鉄リチウムイオン電池 | リン酸鉄リチウムイオン電池 | リン酸鉄リチウムイオン電池 | 三元系リチウムポリマー |
サイクル数(寿命) | 3000回 | 約3,000回 | 3,000回 | 2500回 | 500回以上 |
ACで満充電時間 | ACコンセントからの充電:約2時間でフル充電 シガーソケットからの充電:約5.5時間でフル充電 | ACコンセントから約60分(1時間)(X-Stream) | 付属のACアダプタ使用で約4.1時間 60W以上出力可能なUSB Power Delivery (PD)対応充電器を利用した場合、約2.5時間 | 約1時間(高速モード)、約2時間(標準モード) | ACアダプタ充電で約7時間でフル充電 |
専用ソーラパネル | |||||
PSEマークの有無 | 〇 | 〇 | 〇 | 付属ケーブルはPSE認証済み | ポータブル電源本体及び内蔵バッテリーはPSEの対象製品でないため、PSEマークは印字されておりません。 安全対策の一環として、PSEで定められたリチウムイオン電池の試験基準を適用しております。 |
カラー | マルチカラー (Jackery特有カラー) | マルチカラー | ブラック | ブラック・ベージュ | ブラック・ホワイト・ベージュ(限定カラー) |
保証期間 | 5年間(3年+製品保証登録で延長2年間) | 5年間 | 3年間(18か月+Anker Japan 公式オンラインストア会員は自動的に24か月追加) | 2年間 | 3年間(2年+レビュー投稿で1年追加) |
定価 価格はセールやクーポン等で大幅値引きがされているので要確認です!! | ¥39,800 | ¥29,900 | ¥29,900 | ¥29,800 | ¥69,800 ¥79,800ベージュ限定カラー |
付属品 | Jackery 300 Plus本体 ACアダプター充電器 取扱説明書 | RIVER 2本体 AC充電ケーブル 車載シガーソケット充電ケーブル、取扱説明書 | Anker 521 本体 ACアダプタ、ケーブル内蔵カーチャージャー、取扱説明書 | EB3A本体 ACアダプター充電器 MC4ソーラー充電ケーブル、取扱説明書 | エナーボックス01本体 ACアダプター 取扱説明書 |
拡張機能の比較・特長
次に拡張機能やそれぞれのポータブル電源の特長を見てみましょう。
Jackery 300 Plus | EcoFlow RIVER 2 | Anker521 | BLUETTI EB3A | LACITAエナーボックス01 | |
急速充電対応(充電時間) | 家庭のACコンセントから約2時間でフル充電が可能 | X-Streamによりはわずか60分で満充電が可能 | 付属のACアダプタと60W以上出力可能なPD充電器による同時充電を使用した場合は約2.5時間で満充電が可能 | 最大430Wの高速モードを使用して、約30分で0%から80%まで、約1時間でフル充電が可能 | × 約7時間 (ACアダプター使用時) |
パススルー機能の有無 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
UPS機能の有無 | × | × | × | 〇 | × |
Qi充電対応か | × | × | × | 〇 | × |
LEDライト機能 | 〇 | 〇 | 〇 ランタンやSOS用フラッシュとして使用可能 | 〇 「弱」「強」「緊急」の3種類 最大で250時間の点灯可能 | × |
アプリの有無 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
防災安全協会推奨製品 | △ モデルによる | △ モデルによる | 〇 | 〇 | 〇 |
バッテリー増設機能 | 〇 | 〇 | × | × | × |
リサイクル回収 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
最新情報や詳細は公式サイトでご確認ください | LACITA SHOP | ||||
口コミ情報 |
まとめ
ここでは各メーカーの小型軽量のモデルを比較しました。
現時点ではBLUETTI EB3Aが価格、性能の総合的に見て一歩リードでしょうか。ただし、修理、交換の際の送料がかかるという不満の声がありました。サポートに不安がありそうです。
バッテリー電池の主流は、より安全な三元系からリン酸鉄リチウムイオン電池に移行しつつあります。またUSP機能やワイヤレス充電機能はニーズの高まりに合わせて搭載されてくるのではないかと思います。
Jackery、Anker、EcooFlow、BLUTTIE、各社ともポータブル電源を遠隔で監視、操作するアプリも搭載されていますが、まだアプリ接続が不安定であるとの口コミも見られました。
バッテリーの増設ができるのはJackeryとEcooFlowです。EcooFlowは独自技術のX-Streamで直接ACコンセントから充電可能で、ACアダプターが熱くなるという現象がなくなりました。
EcooFlowのX-Boost機能とBLUTTIEの電力リフト機能は、小型軽量がいいけど、もうちょっとだけ電力のかかるドライヤーなどを使いたいとき便利です。
BLUTTIEとLACITAはベージュやホワイトのカラーがインテリアにマッチすると人気が高いですね。
LACITAは日本製ポータブル電源のメーカーとして、価格、性能の面では見劣りしてしまいますが、日本製としての安心感とサポートは見逃せません。
ポータブル電源は各メーカー多様な容量のモデルを発売しています。特に、価格の面では競争が激しく、キャンペーンやセール、クーポンの発行など、かなりお安く手に入れることができます。
お得に入手できるようお手伝いが出来たらと思います。
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