親が高齢になるにつれて避けられない“実家整理”。分かっていても、なかなか重い腰が上がらなくて・・・と後回しになっていませんか?
今回は、実家整理を行った経験者の体験談とともに5ステップのチェックリストに沿って、実家片付けの進め方をご紹介します。
実家整理を始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない方へ。まずはこのチェックリストから始めてみましょう。
ステップ1:準備

✔ 整理の目的を明確にした
相続?空き家対策?目的によって進め方が変わります。まずは家族で話し合いましょう。

きっかけは父が施設に入ることになり、母が一人になるタイミングでした。



将来的に空き家にしないためにも、早めに整理を進めることにしたんです。
目的を“家の売却準備”と定めたことで、家族間の方向性が一致し、無駄な話し合いが減ったそうです。
✔ 家族と話し合いをした



兄とも電話で何度も話し合いました。最初は“勝手に進めないで”という雰囲気だったけど、共有できてからは協力的になってくれました。
親だけでなく、兄弟姉妹とのコミュニケーションも大切です。
✔ 予算と作業期間を確認した



1ヶ月で終えるのは無理だと思って、土日のみ・3ヶ月計画にしました。かかる費用もざっくり書き出しておいたことで不安が減りました。
業者に頼む範囲と自分たちでやる範囲を最初に決めておくと、あとが楽です。
目的と計画の明確化: 片付けの理由と整理範囲を家族で共有し、いつ・どこまで片付けるか予定を立てておきます。
協力者の手配: 家族や親戚・友人を募り、役割分担を決めて効率的に作業を進めます。
✔ 必要な道具を準備した



段ボール、マジック、ガムテ、写真アルバム用のケース…。100均でも十分そろいました。
道具がそろっていると、作業が格段にスムーズになります。
必要な道具を揃える: 段ボール、ゴミ袋、ラベル、マーカー、掃除道具などを事前に用意し、作業効率を高めます。
✔ 現状の記録を残した



写真を撮っておいたおかげで“ビフォーアフター”が見えて達成感がありました。
現状の記録: 作業前に写真やメモで整理前の状態を記録しておき、進捗を確認しやすくします。


ステップ2:仕分け
✔ 整理対象を分類する


貴重品・思い出の品・廃棄物など、項目ごとに分類してリスト化します。
✔ カテゴリー別に分けた
カテゴリー分け: 衣類・書籍・食器などジャンルごとに分けて整理し、作業を効率化します。



衣類、本、写真、小物、家具…という風に部屋ごとではなくカテゴリでやったら効率的でした
「何を」「どれくらい」持っているかを把握するにはカテゴリ別が最適です。
✔ 仕分け基準を決めた
仕分け基準の設定: 残すもの・捨てるもの・売るもの・寄付するものに分類し、家族間で確認しながら進めます。



仕分けの基準は“使っているか”“思い出があるか”の2軸で判断しました。
“迷ったら残す”ではなく、“迷ったら保留”がコツです。
✔ 保留ボックスを用意した
保留ボックスの活用: 判断が難しい物は一旦保留ボックスに入れ、後から再検討できるようにします。



「母が『これは捨てられない』と言ったものは、とりあえず保留ボックスへ。後から改めて話し合う時間を設けました。」
時間を置くことで判断が変わることもあるので、保留スペースは重要です。
✔ 写真保存なども検討した
思い出の品の処理: 写真に撮るかデータ化して思い出を記録し、実物は後で保管・処分を判断します。



祖父母の古い手紙やアルバムは、スキャンしてデータ化しました。原本を手放しても気持ちは残せます。
思い出はモノじゃなく、記録にすることで気持ちの整理がつきやすくなります。


ステップ3:実作業


整理作業は時間がかかるため、余裕を持った計画を立てましょう。
✔ 作業順序を決めた
一人で進めるのではなく、兄弟や親族との分担が重要です。
「1階の使っていない部屋から。いきなり仏間とか台所をやると大変なので…」



まずは1階の使っていない部屋から取り掛かりました。いきなり仏間とか台所をやると大変なので…
小さな成功体験を積むことで、作業が継続しやすくなります。


作業は一部屋ずつ計画的に進めましょう。高い場所から低い場所へ、奥から手前へと順番に整理すると効率的です。作業中はこまめに休憩を取り、ホコリや汚れが目立ったらその都度掃除すると負担が減ります。
✔ 危険物・大型家具を安全に処理した



自分達で処理が難しい重いタンスや食器棚は、無理せず業者に頼みました。
怪我や事故は絶対に避けたいので、無理しないことが第一です。
✔ 作業の記録を残した



日付と作業した部屋、出たゴミ袋の数などをメモしておきました。
あとで振り返ると、自分の頑張りが見えてモチベーションにもつながります。
✔ 休憩・水分補給に配慮した



途中でお茶をいれて他愛もない話をしたりと、ゆっくり進めました。
焦っても良いことはありません。心身ともに余裕が大切です。
ステップ4:処分・リユース
不用品の廃棄: 捨てるものは地域のルールに従って処分し、リサイクルできるものは回収に出します。
販売の活用: 売れるものはフリマアプリやリサイクルショップで販売し、収入に充てます。
寄付の活用: 寄付するものは事前に送り先を確認し、福祉施設などに提供します。
✔ ゴミ・不用品を処分した



地域の粗大ゴミ収集日を調べて、まとめて出しました。
市町村のルールに従って、適切に処分しましょう。
✔ 寄付・販売できる物を選別した



未使用の食器やタオルは福祉施設に寄付。ブランド品はメルカリで出品しました。
リユースできる物は、誰かの役に立つかもしれません。
✔ リサイクル対象品を分別した



古いテレビはリサイクル券を使って回収依頼をしました。
家電4品目など、処分ルールが厳しいものは早めに調べておくと◎。
✔ 必要に応じて業者に相談した


自分たちでできない部分はプロの力を借りましょう。無料見積りを活用すると安心です。
「途中から『遺品整理士』さんに相談。無料で下見に来てくれて、安心しました。」



途中から『遺品整理士』さんに相談。無料で下見に来てくれて、安心しました。
プロの意見を聞くと、思わぬアドバイスがもらえることもあります。
ステップ5:収納・清掃・完了
✔ 収納を最適化した



押し入れの奥にあった物を全部出して、取り出しやすい配置にしました。
今後の使いやすさを考えた収納が大切です。
✔ ラベリングを行った



母にもわかりやすいように、『夏服』『手紙』『予備電池』などとラベルを貼りました。
ラベルがあると、誰でも場所が把握しやすくなります。
✔ 清掃で仕上げた



掃除機と雑巾がけで仕上げると、部屋の空気も変わりました。
片付けは“整理”と“清掃”でワンセットです。
✔ 写真やメモを保管した
「作業前後の写真と、分類メモをノートに残しました。」



作業前後の写真と、分類メモをノートに残しました。
将来、また同じ作業をするときにも役立ちます。
✔ 関わった人に感謝を伝えた



兄や母に『ありがとう』と伝えたら、すごく良い空気になりました。
最後の“気持ちの整理”も、実家片付けの大切なステップです。
実家整理チェックリスト(PDF保存/印刷可)
ステップ1:準備
ステップ2:仕分け
ステップ3:実作業
ステップ4:処分・リユース
ステップ5:収納・清掃・完了
📝 まとめ:片付けは、未来の自分と家族への贈り物
美香さんの実家整理は、3ヶ月かけてゆっくり進められました。
感情も、思い出も、大切にしながら――
実家を「安心できる場所」に整えることができたそうです。
あなたもぜひ、この5ステップチェックリストを参考にしてみてください。
家族との会話が増え、思い出が深まり、未来が見えてくるはずです。
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