【実家の相続と空き家整理】費用・手続き・注意点を具体例で解説!
「親が亡くなって、空き家になった実家をどうすればいいのか…」
「遺品整理ってどこまでやる必要がある?」
「手続きが多すぎて、何から始めればいいのかわからない」
そんなお悩みを抱えている方へ。
この記事では、実家を相続したあとに必要な「空き家整理」や「遺品整理」について、具体的な流れや費用の目安、活用できる補助制度などを、リアルな事例を交えてわかりやすくご紹介します。
■ 実家相続から空き家整理までの全体の流れ
実家が空き家になる背景には、親の死去による相続が多く含まれます。ここで、相続後の流れを簡単に整理しておきましょう。
【相続の基本ステップ】
- 死亡届の提出(7日以内)
- 遺言書の確認
- 相続人の確定(戸籍収集)
- 相続財産の把握(不動産、預貯金、借金など)
- 遺産分割協議・協議書の作成
- 相続登記(不動産名義変更)
- 相続税の申告・納付(10ヶ月以内)
■ 実例:長崎県の空き家を整理したAさんの場合
Aさん(50代・東京在住)は、長崎市の実家を相続しました。両親が他界した後、10年近く放置されていた空き家には家財がそのまま残っており、建物もかなり老朽化していました。
Aさんが実際に行った手順:
- 司法書士に相談して名義変更を実施(費用:約8万円)
- 遺品整理業者に依頼(2トントラック2台分・約25万円)
- 長崎市の補助金(家財処分費50%)を申請し、10万円の補助を受ける
- 空き家バンクに登録し、賃貸活用を検討中
💡 ポイント: 補助金や空き家バンクなど、地元自治体の制度を調べることで費用の負担を軽減できます。


■ 相続登記の義務化と費用の目安
2024年4月から、相続による名義変更(相続登記)は3年以内に義務化されています。
必要な書類:
- 被相続人の戸籍(出生~死亡)
- 相続人全員の戸籍
- 遺産分割協議書(実印・印鑑証明付)
- 固定資産評価証明書
- 登記申請書
費用目安:
項目 | 金額 |
---|---|
登録免許税 | 固定資産評価額 × 0.4% |
書類取得費 | 5,000〜10,000円 |
司法書士費用(任意) | 5万〜10万円程度 |
🏠 相続による名義変更(相続登記)とは?
「相続登記」とは、亡くなった方が所有していた不動産(家や土地など)を、相続人の名義に変更する手続きのことです。
法務局に申請して、登記簿(登記記録)を書き換える必要があります。
たとえば「父名義の家を、長男の名義に変更する」といったケースです。
📌 相続登記は2024年4月から義務化されました!
これまでは「いつまでにやらないといけない」という決まりはありませんでしたが、
2024年4月1日から、相続登記は3年以内に申請することが義務になりました。
正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料(罰金)が科されることもあります。
📝 相続登記の手続きの流れ(図解)
- 相続人の調査(戸籍収集)
法定相続人を確定するために、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍を集めます。 - 遺産分割協議
誰がどの不動産を相続するか、相続人全員で話し合います。 - 必要書類をそろえる
- 戸籍謄本、住民票
- 遺産分割協議書(または遺言書)
- 固定資産評価証明書
- 法務局へ登記申請
登記申請書を作成し、不動産所在地を管轄する法務局に提出します。
💰 相続登記にかかる費用
項目 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
登録免許税 | 固定資産評価額の0.4% | 例:評価額1,000万円なら4万円 |
戸籍・住民票等 | 1通450円〜 | 人数分必要 |
司法書士報酬 | 5万〜10万円前後 | 自分で手続きすれば不要 |
※自分で手続きをすることも可能ですが、書類作成に不安がある方は司法書士への依頼がおすすめです。
📍 登記申請できる法務局はどこ?
不動産のある場所を管轄する法務局が窓口となります。
たとえば、「東京の家」は東京法務局、「大阪の土地」は大阪法務局に申請します。
全国の法務局は法務省の公式サイトから確認できます:
▶ 法務省|全国の登記所一覧はこちら
🛑 相続登記をしないと起きるトラブル例
- 売却や建て替えができなくなる
- 相続人が死亡し、相続関係が複雑になる
- 第三者に登記されてしまう危険
「あとでやろう」と思って放置すると、何年後かに手続きが何倍も大変になることも…。
🔖相続登記は“やらなきゃ損”な手続きです
相続登記は、亡くなった方の不動産を相続人が「自分のものですよ」ときちんと証明する大事なステップです。
義務化も始まっていますし、相続後はなるべく早く動き出しましょう。
書類の取得や書き方に不安がある場合は、司法書士に相談すると安心です。
👨⚖️ 相続登記の相談は「専門家」に頼るのが安心!
手続きや書類の不備、登記のトラブルを避けるためには、専門家に相談するのが一番の近道です。
特に次のような方は、司法書士や行政書士への相談がおすすめです。
- 手続きを初めて行うので不安がある
- 不動産が複数あって複雑
- 相続人が多く、話し合いが難航している
📌 無料相談できる窓口リンク
- ▶ 日本司法書士会連合会|司法書士を探す
全国の司法書士をエリア別に検索・相談予約が可能です。 - ▶ 全国行政書士会連合会|行政書士検索
遺産分割協議書の作成や相談なども対応してくれる行政書士を検索できます。 - ▶ 法テラス(日本司法支援センター)
法律の無料相談や収入条件に応じた支援も受けられます。
これらのサイトを使えば、地元の相談窓口や無料相談日をすぐに見つけられます。
「一人で悩まず、専門家に頼ってみる」ことが、スムーズな相続登記への第一歩です!
■ 遺品整理の費用と業者選びのコツ
遺品整理は想像以上に手間も費用もかかります。特に空き家の場合、荷物の量や状態によって費用が大きく変わります。
遺品整理費用の目安(業者依頼):
間取り | 費用相場 |
---|---|
1K | 5〜8万円 |
2DK | 15〜25万円 |
3LDK | 25〜40万円 |
選び方のポイント:
- 「遺品整理士認定協会」の認定業者か
- 見積もりが明確で追加料金なし
- 不用品のリサイクル・買取対応があるか
■ 空き家をどうする?3つの選択肢

① 実家に住む
住み続けることで「小規模宅地の特例」を活用し、相続税を最大80%圧縮できます。
→ただし、老朽化した家は修繕費がかかる点に注意。

② 売却する
売却益には譲渡所得税がかかる可能性がありますが、古い家は売れにくいケースも。
→解体して更地で売る方が売れやすいこともあります。
家の価値を査定してみるのも一案です。
③ 賃貸に出す
収益化できる一方で、管理やトラブル対応の手間が発生します。
→管理代行業者と契約することで負担軽減も可能。
■ 空き家整理に使える補助制度【一部自治体の例】
自治体 | 内容 |
---|---|
長崎市 | 家財処分費50%補助(上限10万円) |
雲仙市 | 家財処分費全額補助(上限10万円) |
常陸太田市 | 家財処分費最大20万円補助 |
👉 「○○市 空き家 家財 補助」などで検索して、対象地域の制度をチェック!



■ よくある質問(FAQ)
Q. 相続放棄すれば空き家の管理義務もなくなる?
A. 原則ありませんが、放置すると周囲への迷惑や行政代執行のリスクも。
Q. 空き家バンクに登録するには?
A. 登記後、写真や物件情報、利用希望条件などの提出が必要です。

Q. 遠方で実家管理が難しい場合は?
A. 管理代行業者との契約や、売却・賃貸など早期の方針決定が大切です。
■ まとめ|実家の相続と空き家整理は「情報と準備」で乗り切れる
実家の相続は「手続きの山」ですが、順を追って冷静に対応すれば大丈夫です。
特に空き家の整理は、「費用」「時間」「気力」を必要とする作業。
補助金や専門家の活用で、無理なく進めていきましょう。
✅ 相続登記は3年以内に必須
✅ 遺品整理は業者依頼+補助制度を活用
✅ 住む・売る・貸す、それぞれのメリット・デメリットを比較
不安なときは、司法書士・税理士・遺品整理業者などの専門家に相談することをおすすめします。
📌 ご自身の地域で補助制度があるか気になる方は、自治体の公式サイトや「空き家対策室」に問い合わせてみましょう!相談するのがおすすめです。
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